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第1章 まずは考えてみましょう


同じことをしても、喜ぶ子どもと喜ばない子どもがいます。障害があれば、そ

の差はなおさらです。そんな子どもたちの個性を知ることが大切です。まずは

考えてみましょう、個性豊かな知的障害のは〜い、始めるよぉ!

子どもたちのことを。



第1節 知的障害の子どもたち(1)
第2節 知的障害の子どもたち(2)
第3節 できること&できないこと(1)
第4節 できること&できないこと(2)
第5節 会場の雰囲気作りが大切
第6節 スタッフが楽しめなくてどうする
第7節 毎日の生活の中にヒントがある

                    ▼以降随時追加更新します


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ISBN978−4−86223−274−8
C0036





 第1節 知的障害の子どもたち(1)


一口に知的障害と言っても、知的障害の他にダウン症や自閉症などいろいろな子どもたちがいます。それぞれ個性があり、その違いを理解せずにレクリエーション指導すると大変なことになります。

知的障害だけの子どもたちは素直で正直です。昔、ねむの木学園の宮城まり子さんが、テレビで「この子たちは天使です」と言ったのを覚えています。心が真っ白で純粋だと言うのです。嘘がつけず人をだますこともしません。しかし実際には嘘をついて人をだます子どももいます。それは周りの大人たちのせいです。真っ白な心をさらに白くするのも、汚く汚すのも周りの大人次第です。

ダウン症の子どもたちは陽気です。いつもニコニコしていて性格は可愛らしいです。人見知りせず誰とでも直ぐに話ができます。だから人気者になることが多く、皆に好かれます。そしてなによりも音楽が大好きで、歌ったり踊ったり表情豊かです。だから音楽療法は大好きで、毎日喜んで通う子どももいます。年に一度の祭りやカラオケではマイクを握って離しません。その反面、気持ちの切り替えが難しくて頑固な性格もあります。

自閉症の子どもたちには3つの認定基準があります。それは、強いこだわりがあり、言葉が苦手で、人間関係を嫌がるということです。さらに行動予測不安があります。行動予測不安とは、自分は今から何をするのか、何をさせられるのか、どうなるのか、と言ったこれからの自分の行動の見通しを立てるのが苦手なことを言います。それだから不安になり、自分の理解できる行動に固執するのです。その自分の理解できる行動というのがこだわりだと私は思っています。

知的障害やダウン症、自閉症などについては、当ページの姉妹サイトである「知的障害者施設4万ページの支援日誌」に詳しく書きましたので是非ご覧ください。
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 第2節 知的障害の子どもたち(2)


このように知的障害と言ってもいろいろな個性があり、それを考慮することが大切です。考慮せずに、すべて同じスタンスでアプローチすると大変なことになります。知的障害の子どもたちは遊べても、ダウン症の子どもたちはしゃがみこんで動かなかったり、自閉症の子どもたちはパニックになって騒いだりしてしまいます。こうなったら収拾がつきません。せっかくのレクリエーションの集いが台無しです。

レクリエーションの集いに誘う時は、知的障害の子どもたちには優しく接しましょう。笑顔でていねいに説明して、レクリエーションの集いに対する期待感を高めるのです。

ダウン症の子どもたちには、誘うタイミングが大切です。何かに没頭している時は話しかけず、それが終わった時に説明します。そうでないと気持ちの切り替えができず、今していることを頑固に続けてしまいます。

自閉症の子どもたちには、言葉でなく視覚的な方法で説明しましょう。自閉症の子どもたちは言葉が苦手です。まるで外国語で叱られているような気持ちになり不安が高まるのです。だから、言葉を使わない絵カードなどを提示して誘うと良いでしょう。前回撮影したレクリエーションの集いの写真や、皆で遊んでいる絵などを示すのです。

レクリエーションの集いの最中も同じです。それぞれに合った説明の仕方や誘導を心がけましょう。レクリエーション指導するリーダーだけでなくサポートするスタッフを、知的障害の子どもたち、ダウン症の子どもたち、自閉症の子どもたちと担当を決めておいてアプローチすると良いかもしれません。そして全体をまとめていくのがレクリエーションリーダー(レクリーダー)です。レクリーダーはすべてを理解し把握しコントロールできる人が最適ですね。

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 第3節 できること&できないこと(1)


そんな子どもたちですが、できることとできないことがあります。それを整理することにより、何かが見えてくるはずです。

前節で3障害の違いを簡単に述べましたが、今回も同じように考えて見ましょう。知的障害の子どもたちは素直ですので「手をつなぎましょう」と言うとすぐに手をつなぎます。「手をつながないといけないんだよ」と疑うこともなく友達に手を差し出します。

ダウン症の子どもたちは、ワンテンポ遅れて手を出します。何事にも慎重で動きがていねいなので、どうしてもワンテンポ遅れてしまうのです。

自閉症の子どもたちは、なかなか手を出しません。手をつなぐのが嫌なのではありません。手をつないだらどうなるのか不安で仕方がないのです。

手をつなぐという行動ひとつでも、このように個性の違いがはっきりと出てきます。ですから一人一人に合わせたサポートが必要です。なんでもかんでも皆と一緒でなければ駄目だと思うのは、まだまだ新人のレクリーダーですね。

ではどうしたら良いのでしょう。まずは知的障害の子どもたちを基本とします。時間も空間も方法も、まずは知的障害の子どもたちを標準にしてプログラムを立てます。

次に、ダウン症の子どもたちのことを考えます。ダウン症の子どもたちは慎重で動きがていねいですから、ジャンケンゲームなどのようにテンポの速い勝負事は苦手です。ですから、テンポをゆっくりとするような工夫が必要です。そのためには知的障害の子どもたちにもテンポをゆっくりとします。これで知的障害の子どもたちもダウン症の子どもたちと同じ遊びができるようになります。

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 第4節 できること&できないこと(2)

さて自閉症の子どもたちですが、この子たちには集いの始まる前からアプローチしておくことが必要です。前節にも紹介したように、言葉が苦手ですから視覚的に理解できるようにします。そして早めに知らせて、行動予測不安を取り除いてあげることが重要です。明日の日課表や今日の予定表などで、早めに知らせておくのです。さらに、手をつなぐ練習もしておいて、手をつなぐことの不安を解消させておきましょう。これで、当日は皆と手をつなぐことができるはずです。

できることとできないこと。一番顕著なのはジャンケンではないでしょうか。もともと知的障害の子どもたちはジャンケンが苦手です。○か×かは簡単で知的障害の子どもたちにもわかりやすいのですが、ジャンケンは勝負パターンが三種類あり、さらには相子(あいこ)まであるのですから大変です。

私も30年間知的障害の子どもたちのレクリーダーをしてきましたが、ジャンケンには苦労しました。ジャンケンのできる知的障害の子どもたちの割合は一割にも満たなかったからです。ですから、ジャンケンを使わないゲームに頭を使いました。

結論から言うと、私の場合はジャンケンは諦めました。やればやるほど場が白けてしまい、楽しさが半減してしまうからです。ジャンケンに頼らないプログラムを考えることにしました。しかし、ジャンケンを使わないとなると、ゲーム数は2分の1、いや10分の1になってしまいます。

しかし、○か×かは良くわかります。○か×は「良い」か「悪い」です。これは小さい時から「良いよ」とか「駄目だよ」と親御さんに言われて育ってきていますから良くわかるのです。「当り」か「外れ」なのです。単純なくじ引きの原理でもあるわけです。どうも、ヒントはこの辺にありそうですね。

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 第5節 会場の雰囲気作りが大切


雰囲気を大事にする知的障害の子どもたちには、レクリエーションの集いの始まる前から何度も知らせておいて、期待感を抱かせるのがベストです。心の真っ白な知的障害の子どもたちは、すぐに染まります。スタッフの声掛け次第ですから、腕の見せ所でしょう。上手に予告しておけば、当日は我先に会場に入ってくることは間違いありません。そして、期待に目を輝かせていますよ。

ダウン症の子どもたちは、雰囲気に左右されることが多いようです。気持ちの切り替えに失敗すると、頑固に座り込んでしまうことがありますから注意しましょう。会場を良く見渡して点検してください。ダウン症の子どもの気に障るものはありませんか? 物、人、音、色、景色などなど、何か気に障るものがあると座り込んでしまいますよ。良く観察してみてください。そのためには、前もって訪問して子どもの様子を知っておくと良いでしょう。何かあれば、今のうちに取り除いておくのです。

言葉よりも視覚的な情報を大切にする自閉症の子どもたちにとって、レクリエーションの集いの会場の雰囲気作りは重要なポイントです。ある日、突然会場ができて連れて来られると不安になります。だから、前もって会場作りを済ませておいてから、何回か訪問しておくことが有効です。できれば、そこでレクゲームの一つぐらいは練習しておくと良いでしょう。そして、遅くても前日や当日の朝には、絵カードを使って知らせておくべきです。それにより行動予測不安がなくなり会場に入ることができるでしょう。

さて、会場ではウキウキするような音楽が流れていますか?BGMはとても大切です。BGMのない映画を見たことがありますか?絶対ないはずです。BGMは場面に合わせて何曲も用意しましょう。ウキウキする場面、ドキドキハラハラする場面、走り回る場面、涙する場面、そしてクールダウン。それぞれに合わせた選曲に心がけてください。専門のスタッフがいるとベストですね。

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 第6節 スタッフが楽しめなくてどうする


そして何よりも大切なのが、スタッフや職員たちの気持ちです。あなた達も楽しんでいますか?子どもたちは敏感です。スタッフや職員の顔色を真剣に観察しています。あなたは、やる気満々でニコニコ顔でしょうか?それとも、仕方なしにやると言った不機嫌な顔でしょうか?スタッフや職員が楽しめないプログラムなら子どもたちも楽しめません。なによりも子どもたちに対して失礼ではありませんか!

レクリエーション指導は残念ながら誰もが得意で大好きというものではありません。中にはレクリエーション指導は苦手だと言う人もいるでしょう。照れ臭いというのが最大の原因のようです。この照れ臭さはプライドの高さに比例するようです。本人の個性にも左右されるのでしょうけれど、やはり普段の人間性によるところが大きいですね。だから、レクリエーション指導をできない人は駄目だと言っているのではありませんよ。レクリエーション指導は止めておきなさいと言っているのです。

私はレクリエーション指導を「する」のは大好きです。何時間でもできます。何時間もしたら子どもたちは疲れてしまいますね(笑)。なのに、なのにですよ、私はレクリエーション指導を「受ける」のが苦手なのです。本当に苦手なのです。「する」時は照れ臭くないのですが、「受ける」時は照れ臭くて仕方がないのです。不思議なものですね。だから余計に照れ臭さというものが気になって仕方がありません。

よく会場の隅っこで「やれば楽しいのに…」と座り込んでいる子どもを説得している大人がいます。そんな時、私は無理強いはしないように指示します。私は自分の照れ臭さを認めているから、なんとなく子どもの気持ちがわかるのです。レクリエーションの集いは無理強いされるものではありません。自分から気持ち良く参加してこそ楽しめるものです。ゆっくりと待っていてあげてください。そのうち必ず参加しますよ。

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 第7節 毎日の生活の中にヒントがある


さて第2節でも紹介したように、知的障害の子どもたちはジャンケンが苦手です。そして、言葉も苦手です。ですから、レクリーダーが一生懸命ゲームの説明をしてもなかなか理解できません。特に今日初めてやるゲームを突然説明されても、すぐにできるものではないのです。そのことが理解できないと辛い思いをしますよ。

ではどうしたら良いのか。それは、普段の生活の中で何気なく練習しておくのです。例えば、ジャンケンができる子どもたちだったら、機会を捉えてはジャンケンをするのです。おやつの時にジャンケンをして勝ったら飴玉1個おまけにプレゼントするとか、食事の時にジャンケンに勝った子どもから食堂に入るとか。

また、ゲームそのものを生活の中から見つけることも有効です。掃除の苦手な子どもたちに箒でホッケーをして遊んだり、モップで拭きながら競争したり。衣類たたみの時にスタッフとジャンケンして勝ったら1回たたんでいき全部たたみ終わった子が優勝とか、洗濯から戻ってきた靴下をトランプの神経衰弱のように早くたくさんペア(1足)にできた子が優勝とか。

このように生活の中からレクゲームの種を探しておくのです。そして生活の中で何気なく練習しておくのです。そうすると、似たようなレクゲームがたくさんアレンジできます。ジャンケンに勝ったらたためることからジャンケンに勝ったら高く積み木を積み上げるゲームに、靴下を合わせることから絵カード合わせゲームに発展できます。

これなら普段から楽しんでやっていることなので、レクリエーションの集いでも容易に理解でき楽しめるようになります。生活の中で繰り返し覚えることが知的障害の子どもたちには最大の学びになります。その中から、子ども自身が気づいてくれれば、もう大丈夫です。さあ、やってみましょう!

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第2章 「とにかく遊びましょう」へ







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